明日使えるビルメン業界の豆知識や小技をご紹介!キララのビルメントリビア

第1回:床用洗浄剤の、あの“合言葉・標語・暗号”の意味とは❓❓

今回からスタートした新企画【キララのビルメントリビア】(キララのプロフィールはこちら)。この企画ではビルメン業界の豆知識や小技などをお伝えします。また商品資料や各メーカーが発信する情報からは得られない埋もれた情報、業界のこぼれ話!?などにも触れていきます!「シガラミ」がそれほどない(あくまで、それほど…💦)わたしキララの立場から語れる範囲で目一杯お伝えします!第一回目のテーマは「床用洗浄剤の資料で目にする、あの“合言葉や標語や暗号” (笑)」についてです。

1. 強浸透洗剤とは?

シーバイエスの「表層剥離」、ユシロの「膜厚管理」、ペンギンワックスの「ハードスクラブ」、ミッケル化学の「半はくり」、広義に解釈すると全て同じ意味です。 メーカーによって使うキーワードが違うだけで、ぜんぶ床用洗浄剤の特徴を示すために定義された言葉です。 言わば、ワックス床を洗浄する際「断面を横から拡大して見たときに、床表面あたりで起こっている(であろう)ことを描写する表現⁉」です。

「一般的な床洗剤よりもワックス皮膜に深く浸透し汚れを抱き込んでいる層までを取り除く」という ”名目” の洗剤(*1) の特徴を説明するために、各メーカーがキーワードとして便宜上設定しているのが、上の “合言葉や標語や暗号” 達ということです。 では、そのキーワードの背景や意味など、各メーカーが伝えたいことについて確認してみましょう!

*1:ポリッシャー.JPではこれらの洗剤を一括りに「強浸透洗剤」と呼んでいます

▶ 強浸透洗剤の洗浄イメージ

強浸透洗剤の洗浄イメージ

出典元:ミッケル化学 半はくりクリーナー資料

▶ 強浸透洗剤の特徴とメリット

ワックス塗膜へ深く浸透
抱き込み汚れや深い傷を除去できる
ビルドアップを防ぎ剥離周期を伸ばせる

表層皮膜だけを軟化させる
下層皮膜を保持できる
ワックス塗布回数を減らせる

洗浄ムラが起こりにくくベタつかない
ワックス塗布後の仕上がりに好影響



2. 表層剥離とは?

シーバイエス 洗浄王プラスCの製品詳細に「軽洗浄から表層剥離まで」とあります。 重洗浄よりも強く洗浄する表現として「表層剥離」という言葉が使われていますが、確か先代の洗浄王エボリューションの時にはなく、この3代目製品の資料から記載されている性能、概念です。 ディープスクラブクリーナー亡き後、「抱き込み汚れまで落とす」という役割を洗浄王に託したのだと思われます。

他メーカーの「強浸透洗剤」の表現と被らないように「表層剥離」という言葉をチョイスしていますが、実はこの「表層剥離」、「ケルヒャー フロアケアシステム Eco」で以前より使われていた言葉です。 ライバルのケミカルメーカーとキーワードが被ることは是が非でも避けたいと考えたはず。でも「マシンメーカーならイイっか!」となったのかな?。。。知らんけど🙄

「表層剥離」から話は逸れますが、洗浄王と言えば、初代製品からのキャッチコピー「タンク付ポリッシャー向け」が秀逸です。端的に特徴を表した謳い文句の好例ではないでしょうか。 至極真っ当、でも見落とされがちな側面を、分かりやすい言葉で表したメッセージがユーザーに刺さり、わたしキララも「うまい!座布団3枚!」みたいな感じになった当時のことをよく覚えています。

さすがはマーケティングに長けたシーバイエスさん!あっ、でもその当時の社名はジ◯◯ソン❓ ◯◯ワックス❓ ◯◯プロフェッショナル❓ ディ◯◯シー❓…いっぱいあったのでわかりません💦

シーバイエス 洗浄王プラスC[18L]

シーバイエス 洗浄王プラスC[18L]

タンク付ポリッシャー用速効床洗剤

幅広い洗浄力で、軽洗浄から表層剥離まで対応。速攻洗浄でタンク付きポリッシャーでの洗浄に最適。ベタつかない安心の洗いあがり。


3. 膜厚管理とは?

ユシロ ユシロン ハイブリッドクリーナーの資料では「適切な膜厚管理をする為にも、表面洗浄後のワックス塗布回数は少なくしたい」というユーザーの悩みにフォーカスするかたちで「膜厚管理」という言葉が使われています。 ハイブリッドクリーナーといえば、平易で単純明快なキャッチコピー「洗浄以上はくり未満」でご存知の方も多いと思います。 この“決めゼリフ”の説得力を高める意味でも「膜厚管理」という考え方は効果的です。

ハイブリッドクリーナーが登場する以前に、この強浸透洗剤の類いが他に無かったわけではありません。 でも「洗浄以上はくり未満」という、ユーザーの声にならない声に耳を傾けて隠れた欲求を掘り起こした、とも言えるこの“決めゼリフ”で一世を風靡した感があります。 品質が良いことはもちろん、理解しやすいコンセプトとシンプルなキャッチコピーが、製品の認知度を上げリピート購入してもらうためにはとても重要だということがよく分かります。

先ず最初に思い浮かべる「強い床洗剤」として、そして何より実際のユーザー数を見てもハイブリッドクリーナーが多くの方に支持されているのは明らかです。(※ポリッシャー.JP調べ) 長く稼いでくれるイイ言葉を見つけましたね、ユシロさん。アッパレです!

ユシロ ユシロン ハイブリッドクリーナー[18L]

ユシロ ユシロン ハイブリッドクリーナー[18L]

「洗浄以上はくり未満」床洗剤

洗浄とはくりの中間の洗浄が可能ですので、黒ずみ、深いキズの除去ができます。 高い洗浄効果で皮膜の過剰な蓄積が防止され、はくり周期の延長とはくり作業の軽減ができます。


4. ハードスクラブとは?

ペンギンワックス セイバー 深洗力の製品パッケージに「汚れた塗膜を除去するハードスクラブに最適!」と印刷されています。 あたかも皆が普段使っている言葉であるかの如く、キーワード「ハードスクラブ」を滑り込ませてくるあたり、さすがです!澄ました顔でスマートにキメる、ペンギンワックスさんのスタイリッシュさがここでも垣間見れます(あくまで私感です)。

でもこのように潔くキッパリと定義することがビルメン業界ではとても大切です。 元々説明しようがない新しい概念や、前提条件が定まっていないと先に進めない場合には、「定義して断行する」しかありません。 そんなペンギンワックスさんの超然としたスタンスは、多くのユーザーに支持されてますしキララも大好きです。 まさしくこの深洗力はリピートされる方が多い洗剤の一つですしね。

また製品名の「深洗力」とキャッチフレーズの「深く洗浄しても剥離しない!」から目的がストレートに伝わってきていいです。でも「剥離しない」と断言しているのは、ライバル製品の(ある意味)曖昧なキャッチフレーズに対するアンチテーゼなのかな?。。。知らんけど🙄(2回目)

ペンギンワックス セイバー 深洗力[18L]

ペンギンワックス セイバー 深洗力[18L]

超強力アルカリ表面洗浄剤

超強力浸透洗浄!ベタつかずムラのない仕上がりに!スムーズな作業性!樹脂塗膜深層部に抱き込まれた汚れ、黒ずみをすっきり落とす!


5. 半はくりとは?

まんま製品名が特徴を物語っているミッケル化学 半はくりクリーナー。 まだこの表現が残ってましたね。 ネーミング会議で捻り出したという「半はくり」というコンセプト、分かりやすくて良いですね。 一先ず定義付けには成功していると思います。

この半はくりクリーナーはリフレッシャーのリベンジをかけて投入された製品とのこと。 更には、先駆けだったにもかかわらずアピール不足のため、強浸透洗剤としての地位を確立することができなかったエイブルの雪辱を晴らすという目的もあるのかな?。。。知らんけど🙄(3回目)

これまでの3製品と違い、この半はくりクリーナーの容器はバッグインボックス。 ということは…溶剤が入ってない?…いいえ、しっかり入ってます。 溶剤に耐えられる素材が使われているとのことです。

ネーミングといえば、ミッケル化学という社名、まだ馴染みのない方も多いと思います。 共に60年以上の歴史があった2大ブランド、ユーホーとスイショウがニイタカグループのもとで統合され、2022年4月に新たにできた企業がミッケル化学です。 これまで紆余曲折いろいろありましたが、ケミカル(chemical)をミッケル(miccheal)と並べ替えたように、ビルメン業界内のあらゆる配置転換を促して欲しいものです。 またいつも小気味良く的を得た連絡をくれる営業担当の方には、是非これからも頑張って欲しいですね。 キララは応援しています!

ミッケル化学(旧スイショウ&ユーホー) 半はくりクリーナー[18kg B.I.B.]

ミッケル化学(旧スイショウ&ユーホー) 半はくりクリーナー[18kg B.I.B.]

業務用 表層皮膜を除去できるノンリンス洗浄剤

汚れもキズもなかったことに。表層皮膜だけを除去!汚れてキズついた表層皮膜だけを除去。まっさらな皮膜を蘇らせます。


6.【番外】中間剥離とは?

上の4製品と違って溶剤が含まれていない、独自成分がワックス層に作用する強浸透洗剤がこのエコ フォース プラスです。 希釈倍率と塗布後の時間を調整することで、汚れたワックス層までをふやかして除去することができ、その作業内容を「中間剥離」と表現しています。

※中間剥離という言葉を間違って使っているものがありますので混同されないようご注意ください

ECO FORCE PLUS(エコ フォース プラス)[4kg]

ECO FORCE PLUS(エコ フォース プラス)[4kg]

定期清掃に最適なアルカリ性マルチクリーナー

マイナスイオンの特性を活かした新しい理論の洗浄剤。汚れたワックス層だけを取り去る今までに無いアルカリ性洗剤で、ワックスリコート前のディープスクラブに最適です。洗浄後のワックス表面のべたつきが無く、ワックス塗布が容易です。


7.【まとめ】それで、結局どれがいいの?

そんな野暮なことは聞かないでください😁 ここでは、先程お伝えしたように「そのキーワードの背景や意味など、各メーカーが伝えたいことについて確認…」するだけに留めておきます。何卒ご賢察ください!


※この【キララのビルメントリビア】は、普段ビルメン資機材を販売する側のポリッシャー.JPが、業界内外のことについて、一つの見解を述べるコンテンツです
※ご自身で参考になると判断できる部分だけ参考にしてください
※メーカー様や関係各所からの追加情報や訂正依頼などがあれば、お気軽にドシドシお伝えください


光沢(ひかりさわ)キララ
常にクールで冷静な判断ができる、ビルメン知識が豊富な女の子。その性格とビルメンに精通している今現在があるのは、実は過去に秘密が・・・。


Googleクチコミ評価をおねがいします ポリッシャー.JP をご支持くださっている皆様に感謝いたします。
応援する立場の当店が逆に応援されていることを実感しています。いつもありがとうございます!
ご評価やご意見をお待ちしております!こちらからお気軽にどうぞ!(Googleサイトへ)